カテゴリ:Avant pop( 1 )

アヴァン・ポップ 増補新版
ラリイ・マキャフリイ / / 北星堂書店
ISBN : 4590012251
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◆現代文化の表現手法のカタログとして優れた一冊。
 
◆今まで下位に属していると目されていたものが、こういった本によっていかに上位かするか―アメリカ(アングロサクソン)の文化戦略の巧みさを見るよう。アートにしても、文学にしても、アメリカの文化的優勢さはこういったモデルチェンジ的思想洗脳に支えられているし、現代に適したように、編み上げ書き換える。
まちがいなく―アングロサクソンの頭いいのが文化を巧妙に編み上げていて、こういったところから世界は変わるし、価値は変わるんだろう。

◆ロックからパンクカルチャー、SM、アート、文学まで網羅した文物紹介の一冊。

◆ピンチョン以後のポストモダン文学をいかに読むかという事の解説書であり、そこには高度大衆化社会の消費文物が列挙され、「消費されるものとしての現代文学」ともいえると思う。また日本が大きくクローズアップされていることも特徴で、やや皮肉まじりに日本の幸福な幸福症候群・ディズニーランド化が揶揄されたり、称揚されたりする。

「かくして日本という名のディズニーランドでは、そもそも自分が誰か、自分には何が本質かといった存在論的問いかけそのものがナンセンスなのだ。」「アヴァンポップ」
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◆ま たしかに・・・そう見えるかもしれない。
でもいろいろいるぞ!―とはいっておきたい。すべてが存在論的問いかけをしない―というわけではない。

◆またここで比較文学論的に批判の俎上に挙げられるのは、白人男性中心主義的イデオローグだ。これまで高級趣味とされてきた「美意識」や「モラル」が批判にさらされ、糾弾され、検討され、「アヴァンポップ」の多元文化時代ならではの美意識革命をもたらすキッチュでキャンプなピカレスク(悪漢)精神史が称揚される。そこには暴力があり、ドラッグがあり、性的倒錯があり、人間=機械共生系があり、資本主義の馬鹿げた脱領土化にともなう生活のジャンク化、そして現実や世界観が累乗的に繁殖してゆく時代の文体に対する危機意識がある。

◆アヴァンポップとはサドに始まり、ボードレールやランボー、ダダ、シュールレアリズム、バタイユ、アルトー(あるいはデリダ、ドゥルーズ)ジュネ、フランス実存主義、ピストルズに至る系譜であることが解説されるという意味で鋭敏な現代批判カタログ書物☆

◆でもこの本にしても、ボードリヤールにしても、J・Gバラードにしても、ウィリアムギブスン(さらりまんにあいどる)にしても、日本については「好き勝手にいいやがって―」という気もする。論理が不在で神秘がある、ってなんか馬鹿にされているようで、いつも口惜しい。説明責任を果たしていないといえばそれまでで、説明できないような構造しか持ち合わせていないといえばそれまでだろうけれども―

◆それにしても―まったく・・・
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by tomozumi0032 | 2007-07-26 19:58 | Avant pop
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